データでみる福岡の訪日外国人と消費額
政府の観光誘致政策を受けて、日本を訪れる外国人の数は随分と増えました。
これを受けて観光業界や旅行業界では、“インバウンド”向けに様々な取り組みが行われてきました。
この“インバウンド”により、日本全国の観光地では外国人観光客数や外国人観光客による消費額が増加を続けてきています。
そこで、福岡県での外国人観光客に関する推移をデータで見てみましょう。
1 訪日外国人数(福岡県) ※宿泊客に限る
(「福岡県庁 平成30年福岡県観光入込客推計調査」参照)
福岡県における外国人観光客数は、平成30年で200万人を超えており、3年間で2倍ほどに増加しているのが分かります。
増加した要因としては、政府の観光誘致政策の一環としてのビザ規制緩和やLCCの就航増加等が考えられます。
ただ、平成29年までは増加しているものの、平成30年には若干の減少に転じています。この理由としては、平成30年7月に起こった西日本豪雨災害が影響しているものと考えられます。
2 訪日外国人消費額単価(福岡県) ※宿泊客に限る
(「福岡県庁 平成30年福岡県観光入込客推計調査」参照)
福岡県における外国人外国人観光客数は、先に見たとおり増加してきており、それに伴って消費額の単価も増加傾向にあります。
この増加の要因としては、観光業界全体としてのインバウンド対策の拡充(多言語対応・キャッシュレス決済等)やクルーズ船の就航が増加したことが考えられます。クルーズ船は飛行機と比べて荷物の量を増やすことができるためではないかと思われます。
3 訪日外国人消費額(福岡県) ※宿泊客に限る
(「福岡県庁 平成30年福岡県観光入込客推計調査」参照)
福岡県における外国人観光客数の増加と消費額単価の増加を受けて、外国人観光客の消費額の総額も増加してきています。
これらの要因としては、ビザ規制緩和やインバウンド対策の拡充、LCCの就航増加、クルーズ船の就航増加等が考えられます。
4 今後の展望
これまでは、観光等で来日する外国人も非常に多く、毎年のように訪日外国人観光客数の最高記録を更新していました。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、訪日外国人はほどんどいない状況となりました。旅行業や観光業、宿泊業にとっては非常に大きな影響を及ぼしています。
新型コロナウイルス感染症の収束により、直ちにこれまでと同じような訪日外国人観光客数が戻るかは分かりませんが、少なくとも現状よりは快方に向かうのではないかと思います。
ただ、インバウンド需要に頼りきっていた企業は、今回の新型コロナウイルス感染症の影響により苦境に立たされ、今後の事業経営のあり方を再考するきっかけになるのかもしれません。
新型コロナウイルス感染症が収束する目処はたっていませんが、これから先の事業展開では、インバウンドをどのように捉えて事業を運営していくかを改めて考える必要があるように感じます。
一刻も早い新型コロナウイルス感染症の収束、経済の回復が期待されます。